やっぱり気が向いた時に書くのがいいんだと思うんだ。
気張らなければブログなんて毎日更新できる。良いもの書こうと敷居あげずに、3行日記を書けばいいのさ。1行でもホッテントリに入る増田は少なくないぞよ。
— まなめ (@maname) 2016年12月6日
そうよね、まなめさん!となったので、そのぐらいの行数でなんか書こうとは思う。
ゲームとかアニメとかマンガとか、いつも通り適当になにかを書こう。
なんというか、ホントTwitterが流行ってから、ブログ更新しなくなった人多いよなと改めて思う。
ブログは「さあ、書くぞ!」と気合いを入れないと難しいけど、
タイトル通り、気が向いたときに何かを書く。
きっといつか何かを書くはず……。
たぶんイベントレポート? とか、声優ラジオの話か、
あとは何か気になったことを気が向いたときに何か書く。
一回目の更新でなにもないのはつまらないので少しだけ。
The Last of Usの続編。
この作品に続編が出ることには賛否あるだろうけど、
私は素直に嬉しいです。
エリーとジョエルがメインというのもありだけど、
別キャラによる別視点というのも楽しそうだなーとは思います。
そういえば、The Last of Usの実写映画はどうなったんだろう?
とまあ、こんな感じに気が向いたときに更新します。
Dk部へようこそ4
僕はありえない光景を見ているような気がする。いや、何度もありえないような光景はみてきた。全裸だったり、シスター服を着た某先輩をみてきたんだから。
ちょっとやそっとじゃ驚かない。
でも今回は驚くしかなかった。
いつものDk部の部室なのは変わりない。
パイプ椅子に長机、本の山。
うん、何も変わらない。
だけど、明らかに1点違う。
深呼吸して、ドアのすき間から部室の中を再度確認した。
シャランラン♪ こんな効果音をまとった女生徒がいた。
パイプ椅子に腰掛けた彼女は読書――ノベライズ版シュタインズゲート――、白く細い足をぷらぷらと揺らして誰かを待っているようだった。
……待つっていっても、でるた先輩かこんこん先輩ぐらいしか。
「少年、何をしている? 入るなら入れ」
振り返るとこんこん先輩がいた。
「中に知らない女の子がいるんです」
「ふむ?」
こんこん先輩はドアを僅かに開けて中の様子をうかがうと、納得したらしく部室内へと進んでいく。僕も先輩について部室に入る。
「やあ、姫。めずらしいな、君がここにくるなんて」
「ん? たまにはでるたくんとこんこんくんの様子でも見ておこうかと思って」
にこやかな笑顔で、姫と呼ばれた女の子が本を傍らにおいて答えた。
「それなら言ってくれればよかったものを。そうしたらでるたんも喜んで真っ先にここにきただろう」
「ふふん、こういうのはサプライズでやるからいいんじゃないか」
満足した彼女はパイプ椅子から立ち上がると、僕の方へと近づいてきた。
「ふーん、君が噂の新入部員かー」
頭1個分低いところから彼女の瞳が僕をまっすぐに見つめてくる。
思わずドキリとしてしまう。
「いやその……えっと」
「姫、あまり少年をからかうな」
「そう? だって、彼はぼくの事を知らないからつい」
「おお、そうか」
話についていけない僕に疑問符がいくつも浮かんだ。
「少年がショックを受ける前にいっておこう。姫ことコモリちゃんは男だ」
なにいってんの、この先輩。
「ワタシを哀れむような目で見るな! 事実だ、姫は男だ」
「こんなに可愛いのに?」
「だが男だ」
それが言いたかっただけでしょ、こんこん先輩! っていつの間に白衣を学生服の上から着たの!?
「突っ込みたいことがありますが、こんな小柄で華奢な――」
「だが男だ」
「女生徒の制服を着てるのに?」
「だが男だ。何度言えば理解するのかね? 考えてもみろ、こんな可愛い子が女の子なわけがないだろ」
「制服は男が男子生徒の制服着なきゃいけないっていう校則は書いてないからねー」
そりゃあ、書いてないでしょうよ。普通男が女の制服を着てくることまで考えてないですよ……コモリさん……。
なぜわからん? と不思議そうに僕をみるこんこん先輩。
いやいやいやいや。
そんなわけあるか。
こんなに可愛いのに男?
「理解ができないのか、こうなったらDメールで」
「いや、Dメールなんてないので、過去改変できませんよ」
「なにをいっている? D(でるた)メールのことだ。でるたんを召喚する」
「そんなにすぐにくるわけが……」
「コモリちゃんがいると聞いて!(ガラッ」
この人、早いなー。
こんこんさんがメールを出して10秒も経ってないよ。
「でるたくん、こんにちわ」
「コモリちゃんはかわいいな」
「出てきてそうそうワタシはスルーか。助手よ」
「助手じゃない」
「デルタズールよ!」
「ズールいうな、このこんこんめ!」
「何をいうワタシは狂気のマッド読み手<リーダー>こんこんだ!」
確かに年間1000冊読むのは狂気の沙汰だとは思いますがね。
「あはは、2人とも相変わらず面白いなー」
「ふふ、褒めて何も出ないよ、姫。ところででるたんよ、少年に姫が男だと説明しても納得してもらえないんだが」
「お前は何を言っているんだ」
そうですよね、こんなに可愛い子が男なわけが――
「コモリちゃんの性別はコモリだ。男だ、女だとか小さなことはどうでもいい」
なんでこの人、こんなに自信満々なの?
「いやいや」
僕は思わずツッコミを入れてしまった。
「そんなバカテスの秀吉じゃあるまいし」
「わかってない、何もわかってない」
性別を理解していないのはでるた先輩だと、僕は思うんです……。
「ところで姫はどうしてDk部の部室に?」
「でるたくんとこんこんくんがどうしてるかなー?って。誰もこなくてヒマだったから、シュタゲのノベライズ読んでたんだけどね」
「なるほど、シュタゲか」
こんこん先輩が頷くけど、あなた、今白衣着てるよね? シュタゲの影響だよね?
「最近はタイムリープとかタイムトラベルなどを扱って話題になる作品が多いような」
「そうですね、シュタゲもそうですけど、まどか☆マギカなんかもそうですよね」
でるた先輩の発言に僕は同意を示す。
シュタゲでもまどか☆マギカでもそうだけど、あるキャラクターが最悪の結末を回避するために何度も何度も同じ時間を繰り返し、その結果やっと望む結末、またはそれとは異なる結末へと辿り着く。
ただ、どれにも言えるのは、タイムリープやタイムトラベルを繰り返しているキャラクターは孤独になっていくことだ。
何を言っても聞いてもらえない、仲間もいない。
少しずつでも理解してもらえるようになった時には、既に遅いなんてこともある。
「似たような作品としては、紫色のクオリアもあるな」
「あー、そうですね。あれも大切な人が死なないようにいくつもの世界を渡っていきますからね」
「繰り返す。という意味だと、涼宮ハルヒのエンドレスエイトもそうだよね」
コモリさんがいうように、エンドレスエイトも同種と言える。
そもそも涼宮ハルヒシリーズは、実はSF色を持っている作品でもある。エンドレスエイトもそうだけど、涼宮ハルヒの分裂、涼宮ハルヒの驚愕で描かれている2つの世界もそうだし、涼宮ハルヒの消失では涼宮ハルヒがいない世界を描いていた。
アニメ化した影響でキャラ萌えなどに目がいってしまうが、キョンがたびたび三年前へと飛ぶタイムトラベル、並行世界、ifの世界など、SFな要素が実は多くある。
「やはり、タイムリープといえば、時をかける少女だな」
こんこん先輩が提示したのは往年の名作とも言える『時をかける少女』だ。
何度も映像化されており、幅広い年齢層にもそのタイトルを知られている。
近年では細田守監督により劇場アニメ化され話題になった。
「いっけぇえ!!!とマコトが飛ぶシーンはやはり印象的だ」
「こんこんさんも、いっそ未来に行ってしまえばいいのに。主に来世的な意味で」
「でるたん、さらりとひどいこと言ってないか?!」
「そんなことはない」
「やっぱり、タイムトラベルやタイムリープは今も昔も様々な形で名作があるね」
さてと、とコモリさんが立ち上がった。
その拍子にスカートがふわりと広がる。
「なかなか面白かったよ、でるたくん、こんこんくん。それに新入部員くん。今日はもう帰るね」
……この人、ホントに男なのだろうか?
ソプラノボイスを聴きながら再びその疑問が過ぎった。
ドアノブに手をかけて、部室から出て行こうとするコモリさんの小さな背中に問いかけた。
「あなたは本当に男ですか?」
振り返ったコモリさんは、唇に人差し指を添えて、
「うーん……君が思う性別が、ボクの性別だよ」
とても素敵な笑顔を残して、コモリさんは帰っていった。
でるた先輩がいうように、コモリさんは性別コモリという存在なのかもしれない。
ホントは夏コミ前に。
夏コミ前に書こうと思っていて、時間がなかったのでこのタイミングで。
Dk部へようこそ0
この学校の一年には一部で有名な生徒がいる。その一人が、HRが終了したばかりの教室の隅で読書をしているでるただ。
彼の机の上には何冊もの本が積まれている。
他の生徒が帰り支度を始めるなか、でるたは本を読み続ける。
ガラッ!
突然、教室のドアが勢いよく開かれた。
「このクラスに、でるたという者がいると聞いてきた!」
自信を帯びた声が教室内に響いた。生徒達は手を止めて、ドアへと視線を向けた。だが、でるたは本から視線を外さない。
――あ、あれでしょ、こんこん。
――サウザンドマスター?
教室がざわめいた。
「ふむ。見つけた、一目でわかったぞ。ワタシが探していたのは君だよ」
生徒たちからこんこんと呼ばれている彼は、でるたと並ぶ有名人だ。
この二人に共通するのはただ一つ。
読書。
それも異常とも思える読書量だ。
こんこんはでるたの席を確認すると、まっすぐに向かった。
「はじめましてだな、でるた」
「……」
でるたはなおも読書を続行する。こんこんはでるたが読んでいる本の背表紙を確認した。
「ミミズクと夜の王か。なかなかいいものを読むね」
そのとき初めて、でるたは視線を上げた。
こんこんの顔を見ると、また本へ視線を戻した。
「ボクは読書に忙しい」
用件が無いなら帰れ。
邪魔をするな。
「つまり、帰れと。だが、断る」
「……」
「まあいい。ワタシはワタシで勝手に話を進めさせてもらおう。簡単に言って、ワタシは君が欲しい」
「お前は何を言っているんだ」
でるたは即座にこんこんの言葉を迎撃した。
「言葉が足りないか?」
「内容が足りない」
「ふむ……。この世界にはこれまで多くの本が出版されてきた。ワタシこうやって話している今も多くの作家が新たな本を生みだしている。ワタシが死んだあとももっと多くの本が出版されるだろう」
言葉に熱を帯びさせこんこんは言葉を重ねる。
「正直言おう。今こうしてる時間すら勿体ない。一字でも多く、一行でも多く、一ページでも多く本が読みたい」
「だったら一人で読んだ方がいいんじゃないか」
「もっともだ」
でるたの言葉に、こんこんは苦笑した。
「でも、君は本の感想を誰かと共有したくないか? 自分と違う感想を知りたくないか? 本は読み終えただけでは終わらない。読み終えて、他人の感想を知るのも楽しみの一つじゃないかね?」
「……」
「もう準備は整っている。幽霊部員、新部活の申請書、顧問、その他諸々も準備が終わっている。あとは君が頷けばいい」
だから、もう一度言った。
「君が欲しい」
でるたは本を閉じて、深呼吸をした。
目を閉じて、もう一度呼吸した。
目を開いて、こんこんの瞳を真っ直ぐに見た。
「ボクを飽きさせるなよ」
「とまあ、これがDk部の創立の秘話なわけだよ」
一通り話し終えたこんこん先輩は満足げだった。一方のでるた先輩は相変わらずの読書ではなく……iPadで今日読んだラノベの感想を書いている。
ちなみにでるた先輩は読み終えた全ての本の感想をブログにアップしているらしく、ネットの中じゃ、ちょっとしたものらしい。
「つまり、こんこん先輩の熱烈アプローチに、でるた先輩が靡いたわけですね」
「君はバカか?」
でるた先輩の指摘の声がした。
「え、違うんですか? こんこん先輩の話を聞くとそうだとしか……」
「こんこんさんの話はだいたいあってる。けど、君の解釈は間違っている。ボクが靡いたんじゃない。あまりにもしつこいから仕方なくだ」
「ふふん、でるたんは相変わらずツンだな。そうだな、仕方なくだ。それでいいさ」
「このこんこんめ!」
「っ!! 蹴るな、蹴るな」
机の下ではなにやら激しい攻防が繰り広げられているらしい。
この二人は本当に仲が良い。
「それでこんこん先輩はでるた先輩を飽きさせてないんですか?」
「……少年、君はどう思う? それが答えだよ。――だから、蹴るな!」
「こんこんさん、そういえばあれの続きが家にあるんだけど」
「でるたん、さりげなく誘うのやめてください」
うん、でるた先輩は楽しそうだ。
■
こっそりアップ。
もう書かない! と思ってたのに。
Dk部へようこそ3
今日も僕はDk部の部室で、本の山に囲まれながら読書をしている。この部室にある本はでるた先輩とこんこん先輩が持ち込んだものだ。文字通り持ち込んだものもあれば、ネット通販で届け先をこの部室にして買い込んだものもある。先輩たちは卒業するときに、ここにある本をどうするのだろう?
僕がDk部で学んだことはいくつかある。ラノベは読書数よりも自分が好きな作品に出会えることが大切だってこともその一つだ。でも、もう一つを敢えて挙げるなら、ツッコんだら負けだと言うこと。
こんこん先輩が明らかにいじってくれ! と言わんばかりの服装でいても触れないことが大事だ。だから、僕は黙々と変態王子と笑わない猫を読み進める。
でるた先輩も同じだ。こんこん先輩には触れない。たとえ、こんこん先輩がどこぞのシスターのような格好をしてても触れない。
気にしたら負けなんだ!
「ねー、でるたー、お腹空いたんだよ」
……こんこん先輩、なんでわざわざインデックスの真似をしたんですか? 無駄に完成度高い衣装ですよね、それ。この前は葵・トーリを真似て全裸ネタだったし。基本的にこんこん先輩は読んでる本の影響を受けてる。実際今はとある魔術の禁書目録を読んでるし。
いじって欲しくて仕方ないんですね。
「ねー、でるたー、無視は良くないんだよ。でるたー」
「あー! ボクはお前の幻想を、いやむしろこんこんさんをぶち殺してやりたいよ!」
でるた先輩が本を置いて叫んだ。
耐えきれなかったんですね、わかります。
でるた先輩が広義を捲し立てる。
「大体、なんでインデックスなんだよ! 当麻、美琴、ミサカ、ラストオーダーとかあるだろ!」
「え、そこなんですか、でるた先輩!」
思わずツッコミを入れてしまった。
そもそも変な服装してるこんこん先輩がどうかしてると僕は思うんですが……。
「こんこんは、こんこんは! というのはやめておいたんだよ。それにでるたんはワタシの女装をみたいのかい?」
「思わない! そういう認識があるならインデックスの服装やめろよ!」
でるた先輩のいうことはもっともだと思います。
僕は溜息しか出ない。そういえばとある魔術の禁書目録ってこの前までアニメ二期をやってた気がする。とある魔術の禁書目録のスピンオフで御坂美琴に焦点を当てた、とある科学の超電磁砲も月刊誌で連載している。
「禁書目録って、アニメの二期もやってましたよね?」
「あれは三期に期待だ。ここ数年ラノベ原作のアニメが増加傾向にあるような気がするな」
ぜぇぜぇと肩で息をしているでるた先輩は、こんこん先輩の言葉に頷いた。
「確かに……とある魔術の禁書目録、緋弾のアリア、バカとテストと召喚獣といった最近のアニメもあれば、ベン・トーや境界線上のホライゾンなどのアニメ化が控えてる作品もある」
神様のメモ帳やロウきゅーぶ!もそうだ。これまで意識してなかったけど、ラノベを読み始めてから気がついたけど、これまでもいくつものラノベ作品がアニメ化してきた。
「アニメ化は良い面もあるな。なあ、でるたん」
「積本を崩す」
「……買ったら読めよ」
「知らないのか? 積本があるというのは精神を安定させるんだぞ?」
「ないから。――積本を崩すというのもあるけど、アニメ化の効果で原作ラノベに手を伸ばす人が増える」
こんこん先輩は良いこと言ってるような気がするけど、インデックスの格好で言われても……説得力がない。
そういえば、と思い出して僕は、
「マンガ化もありますよね」
「えっと、ここのところだとIS<インフィニット・ストラトス>はそうだし、紫色のクオリアもやってるか。やっぱりアニメ化直前の作品だったり、ラノベ作品として人気が出てきた作品はコミカライズされるよ」
でるた先輩は自分が挙げた作品以外もあるかと、指折り数えている。
「コミカライズだけではなくて、ドラマCD化やゲーム化もあるな」
考えてみれば、一ラノベ作品もメディアミックスされて、さまざまな媒体で表現されるようになってきてるな。
やっぱり好きな作品がアニメ化などするのはファンとして嬉しい。
「ラノベからコミカライズやアニメ化などがあるように、その逆もあるわけだ。ワタシやでるたんのように主食ラノベみたいな人種がマンガやアニメに触れる機会が生まれる」
「ボクのどこが主食ラノベだよ! ちゃんとごはん食べるよ?!」
すみません、でるた先輩、先輩は読書だけしてれば腹が満たせる時載りのリンネみたいな人だと思ってました。
心の中で謝罪して、こんこん先輩の話の続きに耳を傾けた。
「まあ、でるたんがごはん食べてるかどうかはどうでもいいとして」
「ひどくない? なあ、それはひどいよな?」
「ガガガ文庫はハヤテのごとく! や絶対可憐チルドレン、神のみぞ知るセカイ、ブラックラグーンなど小学館の人気作品のノベライズしている」
「他には電撃ゲーム文庫の探偵オペラミルキィホームズなんてのもありますね」
「おはよーおはよー」
「ここにいるよ!」
こんこん先輩とでるた先輩が、ミルキィホームズに反応した。恐るべし、ミルキリアン。 メディアミックスを展開してる作品というのは思ってる以上にある。表現媒体が変わってファン層が広がるのは重要だと思う。
「最近だと、ラノベ作品のキャラクター、宣伝をTwitterでやってるケースもありますね」
「それだけではなく、作者がTwitterをやってることもある。作者に直接感想を伝えることができて、その反応がもらえることがあるからファンとしては嬉しいものだな」
「Twitterの情報伝搬力を考えると、作品やレーベルの情報を流すの有効だよ」
でるた先輩は言いながら、iPhoneをいじりはじめた。でるた先輩もこんこん先輩も、Twitterのアカウントを持っているみたいだから、情報伝搬力の実感があるのかな。
でるた先輩は、iPhoneから視線を外さずに、
「Twitterは情報発信だけではなく、Twitterでの小説が、ライトノベルになった少女と移動図書館のように場合もある」
「じゃあ、でるたんも、ワタシとの日々をTwitter小説として出して、是非ともライトノベル化してくれ。そうだなー、タイトルはDkアンソロでいいから」
「しないよ!!」
「残念だ。Twitter発だけじゃなく、web小説だったまおゆうやログ・ホライズン、ソードアート・オンラインがある。情報発信の敷居も下がってきてるから、物好きがワタシたちの小説を書くかもしれないぞ?」
「誰がいるんだよ……ボクは一つでも多くの作品に出会えたらそれで満足だよ。お腹いっぱい」
「やっぱりでるたんは主食ラノベなんじゃないの?」
「違うから!」
「どうだか。試しに一ヶ月ぐらいラノベを読んで生活したらどうだい?」
「いやだよ、ボクはこんこんさんみたいにサウザンドマスターになりたいわけじゃない」
「サウザンドマスターへの道は険しいんだよ」
こんこん先輩は、一年間で一千冊のラノベを読む。一体一日の時間のどれだけを読書に当てればそれができるのかと考えたくない。
「少年、君も本を読むだけじゃなくて、書き手に回ってみるのもいいかもしれないね。もしかしたら、それが何らかの形で世に出ることになるかもしれない」
「ぜひとも、エロい話がいいな!」
「「えろたさん……」」
思わずこんこん先輩と声が重なった。
読む側から書く側か……それも面白いと思うけど、僕はまだ読み手として面白い作品を一つでも読んでいきたいな。