ついカッとなってやった。
まさかの第三話ですよ。なんでだよ……。ここの人がいけない。
確かにのったワタシも悪かった……。というわけで誰が得するのかわからない。Dk部の話です。
そのうちこのDk部ができるときのエピソードでも作りたいところ。
あとは10月ぐらいに一本オリジナルでたぶんweb小説出します。
Dk部へようこそ2
放課後、僕は先日入部したDk部の活動をしている。活動内容は、ただ一つ。読書をすることだ。基本的に読書対象の本に制限はないけど、主にラノベを読んでいる。
入部して間もないけど、放課後のこの時間が楽しみだ。
さあ、今日も本を読もう。
楽しみを胸に、今日もDk部のドアを開けた。
「こんにち……」
ドアを開けて、飛び込んできた光景に、僕は続く言葉を飲み込んだ。
何事もなかったかのように、一旦ドアを閉める。
いや、まさか。
ありえない。
そんなことがあるわけがない。
自分を説得するように言い聞かせて、頭を振る。
うん。もう一度。ドアを開けた。
さっきと何も状況は変わってなかった。変わらないことがこんなに残念だなんて。
夢ならよかったのにな……。それでも悪夢かも知れない。
部室の中央にあるテーブルの対面にはいつも通りでるた先輩とこんこん先輩が椅子に座って読書をしてる。
ここまでならおかしいことはない。
けど、おかしいんだ。なんでこんこん先輩は全裸なんだ!!
こんこん先輩は全裸で、なんか分厚い本を読んでる。でるた先輩(こっちはちゃんと制服着てる)も別に気にしている感じはない。……もしかして、でるた先輩はこんこん先輩の裸を見慣れてる?
こう同じベッドの中で、
――飲み込んでボクのiPhone。
――おいででるた、ワタシのドックに。
変な妄想が!! 落ち着け。落ち着け。まずは状況確認だ。状況が飲み込めない僕に気がついたでるた先輩が、
「そんなところに突っ立ってないで、なんか読んだら?」
「いや、あの……」
僕がおかしいのか? 疑いながらでるた先輩に近づいて、疑問を打ち明けてみた。
「でるた先輩、なんでこんこん先輩、全裸なんですか?」
「何を言ってるんだ。こんこんさんが全裸のわけがない。なにか、君はそこに座ってるこんこんさんの全身をくまなくみて、全裸と確認したの?」
「いや、そういうわけじゃ……」
なんで僕が責められてるような雰囲気なの?
「少年、一体いつワタシが全裸だと判断したのかな?」
「あ、聞いてたんですね、こんこん先輩」
「全裸、全裸うるさいから嫌でも聞こえてきた。さあ、確認するがいい、ワタシが全裸かどうかを!」
こんこん先輩はそう宣言すると、勢いよく立ち上がった。
「うわぁー!!」
思わず声をあげてしまったけど、確認すべき所をしっかりと確認した自分が嫌だった。
立ち上がったこんこん先輩の下腹部は、あれ……モザイクが掛かってる? ゴシゴシと目を擦って再度確認するけど、やっぱりモザイクが掛かってる。
「そんなに注視するな、恥ずかしいだろ。ほら、ワタシは全裸じゃない」
「どこからツッコんだらいいんですか? とりあえず、なんでモザイクが掛かってるんですか? いや、それよりもなんで全裸なんですか?」
「ふむ。疑問はふたつか」
妙に落ち着いたこんこん先輩は椅子に座った。僕も座るように促される。
「まず一つ目の質問への答えだ。このモザイクはゴッドモザイク。天照系列の光学系術式だ!」
「すみません。意味がわかりません」
なんだよ光学系術式って。異能なの? 異能? この世界は学園異能にシフトしたの?
「こんこんさんの言うことを気にしたらダメだ」
でるた先輩の言葉に同意して、続く言葉を待った。
「二つ目の質問はなぜ全裸だったのか? だな。ワタシが今読んでるのは境界線上のホライゾン2巻下だ。葵・トーリが全裸だから、ワタシも全裸で対抗だ!」
「もっと意味がわかりません」
というか、今、全裸って認めなかった?
でるた先輩に同意を求めようとするけど、でるた先輩は小さく首を振ってるだけだった。
もう僕も諦めて、読書しよう。全裸とか気にしたらダメなんだ。
今日は、最近、アニメが放送されていたIS<インフィニット・ストラトス>を読もう。読書中のBGMは運動部のかけ声や、でるた先輩とこんこん先輩が本のページをめくる音だ。
僕がIS<インフィニット・ストラトス>を半分ぐらい読んだところで、こんこん先輩もでるた先輩も一冊読み終わって、次の本に取りかかろうとしていた。
「先輩達って、これまで何冊ぐらい本を読んだですか?」
僕の言葉にこんこん先輩が、本から視線を上げて、こっちをみた。
「少年。なら、生まれてから今まで読んだ本を覚えているのかい?」
「……えっと」
正確に覚えてるわけがない。本というカテゴリに含まれるものにどれだけ接してきたかわからない。
「いいえ」
「つまり、そういうことだ。なあ、でるたん?」
同意を求めるこんこん先輩の言葉を無視して、でるた先輩は読書を続ける。こんこん先輩はでるた先輩の背後に近づいて、
「今まで読んだ本の数を覚えているか、でるたん」
「顔を近づけるな。息を吹きかけるな。気持ち悪いんだよ。モザイクあってもぶっちゃけ全裸なんだからやめろ!」
ものすごい早く口でどこかで聞いたことがあるセリフを口にして、椅子から立ち上がりこんこん先輩から距離を取った。
この二人、なんだかんだで仲がいいような。
でるた先輩の反応に満足したのか、こんこん先輩が自分の席に戻る。
「無視するのがわるい」
「集中してて聞こえなかったんだよ!」
警戒しながらでるた先輩も自分の席に戻った
「そんなことはどうでもいい。で、何冊今まで読んだ?」
でるた先輩は顎に手を当てて考え始めた。
「質より量なのよ!」
でるた先輩はありもしない小さな胸を張って偉そうに言った。
「……へぇー」
「反応うすっ!」
「いや、でるたんが、桜野くりむみたいなセリフをいっても……と思って」
「ところで君はどうして急に読書数なんか気になったのかな?」
「先輩達って僕が一冊読む頃には二冊は読み終わってるじゃないですか。毎日そんなペースだからどのぐらいなのかなと思って」
「なるほど」
こんこん先輩が頷いた。
「つまり、読書数に劣等感を抱いたわけか。そんなことを気にすることはない」
「年間千冊読むこんこんさんが言っても、説得力ないよね」
「だまれ、鬼畜でるた」
やっぱりこの二人仲悪いんじゃないかな?
じゃあ、と、こんこん先輩が本の山の中から取り出したのはさっきまでこんこん先輩が読んでいた境界線上のホライゾン2巻下だ。決してライトとは言えそうもないけど、ライトノベルだ。
「これは川上稔の境界線上のホライゾン2巻下だ。電撃文庫最厚記録1154ページ。ちなみに川上稔によって書かれた終わりのクロニクル最終巻7巻も電撃文庫最厚記録を持っていた。少年なら、読みたいと思うかい?」
「正直遠慮したいです」
どうみても、あの厚さを読破できる自信がない。しかもシリーズ物ということは、他の巻も厚いんだろうし……。
「ボクは後回しにしたいな。終わクロやホライゾンを一冊読む間に三冊読める!」
「でも、これを嬉々として読む人もいる。その人達にとってはこんなに厚くてもとても魅力的なんだよ。他の本が三冊読める時間が必要だろうけど、ファンはこの本を読む。だから読書量を気にする必要はない。でも、問題は少年が夢中になれる作品に出会えるかどうかだと思う」
「ボクはエロい話がいいな。NTRとか!」
「でるたのえっちぃ」
「こんこん先輩がシャルのセリフいうのは勘弁してください。なんかシャルが穢れる」
思わず僕は思わず抗議した。
「失礼な。むしろサウザンドマスターが使ったのだから、喜ぶべきだ」
この人のこの自信はなんだろう……。
まあそれはともかく二人の先輩がたくさん読むのは、二人が夢中になれる作品に出会えてるからなんだ。
「オススメの作品ってなんですか?」
「うーん、ボクは狼と香辛料かな」
「わっちか! わっちか!」
「だまれ、こんこん」
「じゃあ、こんこん先輩は?」
「オススメ聞いてる暇があるなら自分で好きなものを探せ。だからもっとラノベを読め」
すごくいいことを言ってるような気がする。
だが、全裸だ。
読書量よりも、自分が好きな作品に出会うために読む。出会えたらその作品を追いかけて、完結したら、また新しい作品と出会うために読む。
だから、僕も一冊でも多く本を読もう。
Dk部へようこそ2
先日あげたネタ小説の続きを読みたいとか奇特な人がいたので書いてみた。なんかいろいろひどいけど仕様です。
Dk部へようこそ。
Dk部と呼ばれる部活がこの学校にはある。誰もまともに活動内容を知らないらしい。だから僕は興味が湧いた。
僕が聞いたところだと、部員は上級生二人だけらしい。活動場所は文化部の部室棟の一室。
そう、今、僕の目の前には、そのDk部の扉がある。
放課後のこの時間、文化部の部室棟は本校舎から離れているため、静かではある。けど、グラウンドからはサッカー部や野球部の声が聞こえる。本校舎からはブラスバンド部が練習している音が聞こえるため、完全な静寂とは言えない。
「それにしてもだ。扉の向こうから全く音がしないんだけど……」
誰もいない? 今日は休部なのか? そんな不安が過ぎる。
いや、そんなことはない。クラスメイトの話だと、平日のこの時間Dk部は必ず活動しているのは確定だ。
コンコン。
ノックをして待つこと十秒……反応なし。
コンコン。
もう一度。
しかし、結果は同じだ。
僕は仕方ないので、ドアノブに手を伸ばした。
ドアノブを回して、ゆっくりとドアを押すと、
「開いてる?」
ドアには鍵が掛かっていなかったため、ドアは抵抗なく開いた。
飛び込んできた光景に僕は息を飲んだ。
視界を埋め尽くすのは、無数の本。本の塔、いや山がいくつもあった。その本の山に囲まれた中央に、二人がいた。
会議に使われるような机を二つ向かい合わせにくっつけて、二人の男子生徒が対面で座って いた。
その二人は黙々と読書に励んでいるようだった。
二人の両脇には何十冊もの本が置かれている。
一人が、僕に気がついて、
「おい、こんこん。人がきた」
「……」
「無視か!」
「我は読書に忙しい」
「ボクだって忙しいよ!」
あのー、僕はどうしたらいいの?
正直よくわからない。
困り果ててると、二人は本に視線を戻して、
「「客がこい」」
どうやら僕の相手をするのほどヒマじゃないらしい。
何を言っても無駄そうなので、二人が読書してる机へと近づく。
「あのー、Dk部の見学に来たんですけど……」
「「……」」
やっぱり二人は本から目を離さない。
しばしの沈黙。
……どうしたらいいの? ホント泣きそうなんだけど。
天井を見つめて、涙を溜めてる僕に見かねたのか、
「我が相手をしてやろう」
さっき『こんこん』と呼ばれた先輩が本を閉じて、僕を見た。
「じゃあ、がんばれ、こんこん」
「お前もだ、でるたん!」
「ボクは電撃の新刊で忙しい。大体、さっきから我、我ってなんだよ!」
「ふふん、今読んでるのはコレだ」
「Fate/Zero 5 闇の胎動……ギル様か!って……まだそれ読んでるの? ぷぷぷ」
「うるさい、黙れ」
「……」
「でるたん、いいからなんかそこの生徒にDk部の説明しなよ」
「お前が黙れといったんじゃないか。こんこんさんがやれば?」
まったく……といいながらも、こんこん先輩は咳払いをして、
「はじめまして、少年。彼が、日本一ラノベ感想を書くでるただ」
「なんで、ボクの紹介をしたの?!」
「いや、でるたんを貶めようと思って」
「お前は何を言ってるんだ――彼は、サウザンドマスターこんこん。年間千冊のラノベを読む」
「そう、我はサウザンドマスターだ!」
頭痛い……。
「あの……先輩達の紹介も大事だと思うんですけど、この部活って何をするんですか?」
「読書」
「ああ、読書だ」
でるた先輩が、机の上から一冊の本を取り出した。
「これを知ってる?」
その本の表紙には女の子のキャラクターが描かれている。見たことある。確か前にアニメになってテレビでも話題になった。
タイトルは確か……。
「涼宮ハルヒの憂鬱」
「じゃあ、これは?」
「スレイヤーズ」
「そう、これらはアニメ化した作品だけど、原作になるのはラノベ――ライトノベルと呼ばれるものだよ」
「Dk部の活動はただ一つ。読書だ。まあ、読んだ作品の感想を全部書くでるたんみたいなことをやってもいいけど」
「よく読んで、よく書くんだよ!」
「ともかく、君も一冊読んでみなよ」
さわやかな笑顔と共に渡されたのは、とらドラ!というタイトルと制服きた女の子と、小さい虎が表紙に描かれている。
「え?」
「まあ、一時間半で終わるよ」
「そんなもんだろうね」
「ちょっと待ってください」
なんで二人とも不思議そうな顔をしてるんですか? いきなり本を渡されて、読めって……。
二人とも、もう読書に戻ってるし。
仕方ないから、僕も読もう。
壁に立て掛けられていたパイプ椅子を使うことにした。適当な場所を陣取って、僕も読書を始めた。
「……」
沈黙が降りる。
小さく溜息を吐いて、僕は文章を追うことにした。
基本的に、でるた先輩とこんこん先輩は読書中無口だ。
たまに口を開いても、
「でるたん、それ面白いの?」
「エロい」
「えろたさん……」
とか、
「こんこんさん、その脇の本取って」
「……」
「……」
お互い無言で本を受け渡して、
「「なんか言えよ!」」
でるた先輩とこんこん先輩はお互いでツッコミ入れてる。
なんだろう……。
この二人は読書する以外は何をするわけでもない。時折、交わす言葉も少ない。
とらドラ!は、目つきが悪くて周りから不良と勘違いされている主人公が、片思いの女の子と同じクラスになった。片思いの女の子には、いつも一緒にいる女の子がいて、その子にも好きな人がいる。それが主人公の友達だ。かくして二人は恋の共同戦線を張ることになる学園ラブコメだ。
うん。面白い。
読み終える頃には、窓の外は夜の暗さが来ていた。
「面白かったかい?」
こんこん先輩が聞いてくる。
「はい」
だから、僕は正直に答えた。
「その続きを、もっと他の本を読みたい?」
でるた先輩が問う。
「はい」
これにも答えた。僕はとらドラ!の続きが気になる。この部室に積まれている他の本も読んでみたい。
もっといろいろな作品を読んでみたい。
「毎月多くのラノベ作品の新作が、書店に並ぶ。なあ、でるたん」
「大丈夫だ、積んでいる」
「この部室にある本は未読本の山。つまり積本だ読んでみたいだろ?」
「はい」
「ならばよろしい。ようこそ、Dk部へ」
「はい!」
だから、僕はDk部に入部を決めた。
あ、そうか。でるた先輩のDと、こんこん先輩のkでDk部なのか。この部活の名前の理由に気がついて僕は二人に気付かれないように笑った。
コミティア93 お疲れ様でした。
予告していたようにマジきよ☆製作委員会(く-26b)として参加しました。
いろんな方々に声をかけていただいたり、お手にとってもらったりと非常にドキドキでした。
Twitterやってる人、ブログみてます!と言われたり、懐かしい人にあったりといろいろですね。
本来なら、1人1人名前を挙げてお礼を言いたいです。
ともあれ、マジきよ☆製作委員会二回目のサークル参加は無事終了。
きよラノは予想以上に手にとってもらえてびっくりです。Twitterやブログも、関係ない人も結構いたような。
何よりも、女性で4人ぐらいかなー?(もしかしたら3人?)ぐらい、購入された方が! いや、驚きだよ。
Twitterでは「きよラノ」の委託をしてくれーーーとちらほら言われてます。
現在前向きに検討中。
……委託っていろいろ大変なんですよ。
さて、マジきよ☆製作委員会の今後の予定は……落選しなければ冬コミ参加です。
きよラノの再販がメインになるんじゃないかと思います。
予定なんてものは未定ですから、なにかがどうころんで「どうしてこうなった!」となるかもしれませんが。
関係各位、きよラノなどを手にとっていただいた方々、いろんな人にこの場を借りて御礼申し上げます。